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拝啓 社長殿 2013年4月号「グローバル時代における本社の役割」


2013年4月号

拝啓 社長殿

日税国際税務フォーラム

今回のテーマ: グローバル時代における本社の役割

1.急速な経済環境の変化のなかで

高度IT化、ネットワーク化、国際化などの急速な進展を背景に、世界経済の変化のスピードと幅は、格段に大きくなっています。例えば、20089月の米リーマン・ブラザーズの破綻に端を発したリーマンショックは、ミクロの事象が世界的な金融不況となり、ひいては世界的な実体経済の低迷をもたらしました。世界経済が密接に関連し、瞬時にパソコン上で巨額の金融取引が出来てしまう現在は、こうしたミクロの事象がマクロ経済に容易にかつ甚大なインパクトを与え得るのです。

 こうした経済環境のなかで、グローバルに事業を展開する企業は、「企業価値の最大化」などの企業目標を実現するための戦略遂行にあたり、言語、文化、価値観などの異なる諸外国において、さまざまな事象に柔軟に対応していくために、多様性の許容と、統一した価値観による一貫性という双方向の「さじ加減」をうまくこなす必要があります。この「さじ加減」の役割を担うのが、本社になります。すなわち、グローバル戦略を各国マーケット戦略や、事業別戦略にブレイクダウンしながら個別に遂行し、同時にそれぞれを有機的に融合して企業目標に収束させていくパワーを持つのが本社ということになります。したがって、本社から諸外国の個別マーケットや法制度、商習慣などを考慮しないまま全社目標として策定した予算を国別に頭割りして、達成を迫るだけの管理は、一方通行型の運営手法だと言えます。中国では、ここ23年のGDP年成長率は8%程度に落ち着いていますが、過去10%以上の成長が続いていた時期、「中国事業予算は前年比+10%は何もしなくてもいく。20%、30%遣って当然」という言われ方をよく聞きましたが、これも個別事情を考慮しない一方通行型の運営手法の典型例です。

2.本社の役割

では、本社のパワーとは何でしょうか。これは、各国別戦略や事業別戦略にブレイクダウンしたものを有機的に収束していくパワーで、企業としての一貫した「軸」、すなわち価値観、存在意義、企業文化などという言葉で表現されるものです。たとえば、海外事業比率が78割に達し、本社機能も海外に移転し、基幹工場では外国人が生産を行っていても、「品質への譲れないこだわり」だったり、一目でそのブランドと分かる「独特のデザインと配色」と言ったものは、その企業の「軸」であり、存在意義なのです。この「軸」の拠り所が日本である限り、日本企業だということが出来ます。また、この「軸」が、国ごとの事情を一つに収斂していく本社のパワーになるのです。

 重要なのは、「軸」にすべてを均一化させる「同質的経営」ではなく、多様性を尊重しながら、違うものを違うままで混合することで企業としての方向性に昇華していく「融合型経営」という考え方です。企業の進むべき方向性へ導くものが戦略になりますが、「融合型経営」では、組織はその戦略を実現するためのインフラであり、その国情にあわせた形態や制度を許容する必要があります。また、どのような販売戦術を採っていくかも、その国のマーケットや文化などに依存したものとならざるを得ません。

 「融合的経営」における違いの許容度は、その企業の取り扱う商材に大きく依存します。よりマーケットに近い商材である消費財を中心に取り扱う企業であれば、その国のマーケット事情を十分研究し、それに合った販売手法や組織体制が必要ですし、組織体制の柔軟な運営が必要になります。一方、生産財や原料を中心に取り扱う企業では、安定した調達や生産という長期的な視点での経営が求められることから、それほどマーケットごとの多様性を考慮する必要性は少ないと言えます。

お見逃しなく!

過去に例のないほどの変化スピードとボラティリティで変化する世界経済のなかで、日本企業がグローバル企業との競争を戦っていくためには、企業グループ全体がその変化の大きな波の中で堪えられる不断の改革が必要であり、その核になるのが本社になります。

お問い合せ先:日税国際税務フォーラム

        TEL:03-3340-4488 FAX:03-3340-6702

        Mailboat_kz@nichizei.com

情 報 提 供 :太陽ASGグループ(グラント・ソントン 加盟事務所)

 

国際税務ニュースレター 2013年4月号「関係会社間における金銭消費貸借取引」

日税国際税務フォーラム

国際税務ニュースレター

2013年4月号

 

今回のテーマ:関係会社間における金銭消費貸借取引

20129月、東証1部上場のキノコ栽培大手「ホクト」が、関東信越国税局の税務調査を受け、米国子会社への貸付金を巡り、金利が不当に低く海外に所得を移転したとして移転価格税制を適用され、20113月期までの5年間で10億円弱の申告漏れを指摘されたとの報道がありました。
金銭の貸付や借入に伴う利息は営業外損益として取り扱われますが、棚卸資産の売買と同様に移転価格税制が適用され、金利の独立企業間価格との間に差があれば課税処分が行われることになります。

1.独立企業間価格の算定方法の選定

貸付金利の独立企業間価格の算定にあたっては、最も適切な方法を事案に応じて選定する必要がありますが、独立価格比準法と同等の方法又は原価基準法と同等の方法を適用する場合には、国外関連取引と同一の通貨、貸借時期、貸借期間、金利の設定方式(固定又は変動、単利又は複利等)、利払方法(前払、後払等)、借手の信用力、担保及び保証の有無等が同様であるような比較対象取引があることが必要です(租税特別措置法関係通達6647-4)。

2.金銭貸付けを業としない事業会社に認められる算定方法

但し、1.のような比較対象取引に関する情報を一般の事業会社が入手することは実現可能性に難があることから、金銭の貸付等を業としない一般の事業会社については、以下のような方法で算定することが認められます(移転価格事務運営要領2-7)。

1)借手の銀行調達利率(通貨、貸借時期、貸借期間等が同様であることが必要)

2)貸手の銀行調達利率 (通貨、貸借時期、貸借期間等が同様であることが必要)

3)国債等による運用利率 (通貨、取引時期、期間等が同様であることが必要)

ただし、独立企業原則に則した結果は(1)、(2)及び(3)の順に得られるとされていますので、最初に(1)の情報が入手可能かどうかを検討する必要があります。

金利の決定要因のうち、通貨(円、米ドルなど)、期間(1年物や5年物)などは、市場における相場等により決まるものですが、借手の信用力に応じたスプレッド情報(銀行等の利益に相当する金利)を市場から入手することは困難です。貸手にとっても、銀行等からの借入実績があるか、スプレッド借入を行うとした場合の金利情報を入手できない限り、調達利率を算定することは困難です。よって、借手または貸手に銀行等からの借入実績がないと、(1)または(2)の方法を用いることは難しいと考えられます。

3)については、借手と国の信用力が同じであるかのような取扱いですが、同様の条件、同一の通貨の国債で運用した場合に得られるであろう金利、すなわち、機会コストをもって独立企業間価格として取り扱うものであると考えられます。

また、事務運営要領の文言上明らかですが、(2)の調達利率には、貸手である事業会社のスプレッドを上乗せする必要はありません。

なお、金銭の貸付が手持資金によるものか、借入資金によるものかの違いによる取扱いの差はありません(別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集 事例4 前提条件2 解説)。

お見逃しなく!

業績不振の子会社等の倒産を防止するために、やむを得ず同様の条件で行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等、合理的な理由により低利又は無利息としている場合(法人税基本通達9-4-2の適用がある場合)には、移転価格税制上も適正な取引として取り扱われます(移転価格事務運営要領2-61))。

 

お問い合せ先:日税国際税務フォーラム

TEL:03-3340-4488 FAX:03-3340-6702

Mailboat_kz@nichizei.com

情 報 提 供 :太陽ASGグループ(グラント・ソントン 加盟事務所)

 

セミナー報告

5/23/2013(木)「相続・年金セミナー」盛況に終了しました。

時間:10:30〜12:00
会場:税理士法人わかばセミナールーム

5/29/2013 (水)「相続・年金セミナー」盛況に終了しました。

時間:10:30〜12:00
会場:税理士法人わかばセミナールーム

 

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