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【拝啓 社長殿】今回のテーマ: 国際的な情報交換の取り組み

みなさん、おはようございます。
完全に雪のふる土曜日となりましたね!でも税理士法人わかばは
元気に仕事をしています!

確定申告・法人申告は国際会計・国際税務に強い税理士法人わかばへご連絡下さい

2014年2月号

拝啓 社長殿

今回のテーマ: 国際的な情報交換の取り組み

日本と各国税務当局との間で情報交換ネットワークは、2013年10月末現在60条約、78カ国・地域にまで拡大しています。
国税庁の報道発表資料によりますと、租税条約等の各情報交換に基づき把握された申告漏れの具体的事例はつぎのとおりです。

1. 要請に基づく情報交換:相手国の税務当局に必要な情報の収集を要請

非居住者が所有していた日本国内の不動産の譲渡について、外国税務当局から情報を入手し、
日本における譲渡所得の申告漏れを把握した。

2. 自発的情報交換:税務調査で得た情報を相手国の税務当局に自発的に提供

外国税務当局から、日本法人が海外の法人に外注費を水増しさせ、水増相当額を日本法人の
代表者が現地で受け取っている旨の情報提供を受けた。

3. 自動的情報交換:調書で得た非居住者所得の情報を受領国の税務当局に自動的に送付

自動的情報交換により入手した海外金融機関からの受取利子に関する資料により、つぎの申告漏れを把握した。

Ÿ国内居住者の所得税の申告に、当該預金利息が申告されていないことを把握した。
国内居住者の相続税の申告に、国外に保有する財産が含まれていないことを把握した。

 

1       各国の取り組み

情報交換に積極的なのは、日本だけではありません。

G20では、2015年末までに、納税者の金融口座情報を自動的に情報交換することで調整中であり、
課税逃れ防止のための対策を、各国連携して取り組んでおります。

とくに米国は、米国富裕層の税逃れを防止するため、FATCA法(外国口座税務コンプライアンス法)を定め、
早ければ、本年7月1日以降、FATCA法に基づく情報提供が求められます。

FATCA法は、米国外金融機関に対し、IRSとFFI契約を締結し、米国人口座の特定や情報を収集し、
IRSへ毎年報告をすることを求めています。

FFI契約を締結しない場合には、米国外の金融機関に支払う米国源泉所得となる利息や配当、
その資産の譲渡対価に対して、30%の源泉徴収がおこなわれます。
また、米国外金融機関がFFI契約を締結した場合でも、情報提供を拒否した非協力的な顧客に対しては、
支払いを行う際に30%の源泉徴収を課す必要があります。

 お見逃しなく!

確定申告の有無にかかわらず、5千万円超の海外財産を所有する外国籍の者を含む日本の居住者は、
「国外財産調書」を提出することになりました。
今年は導入初年度となり、2013年12月31日現在の国外財産の価額の合計が5千万円を超える個人は、
2014年3月17日までに国外財産の種類・価額等を記載した国外財産調書を所轄税務署に提出する必要があります。

故意に、国外財産調書の不提出もしくは虚偽記載をした場合には、
1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

国際的な租税回避に向けた情報開示の義務が、納税者自身にも求められます。

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国際税務ニュースレター:Appleの節税戦略~ダブルアイリッシュ・ウイズ・ダッチサンドイッチ

国際税務ニュースレター

2014年1月号
今回のテーマ:Appleの節税戦略

~ダブルアイリッシュ・ウイズ・ダッチサンドイッチ

米国Apple社が採用した「ダブルアイリッシュ・ウイズ・ダッチサンドイッチ」と呼ばれるグローバルな節税戦略が、
米国IT業界において使われているとされ、世界的に注目を集めています。今回はその戦略について解説します[1]

1 ストラクチャーの概要

Apple社は、法人税率の低いアイルランドに子会社(アイルランド第一法人という、以下、「第1法人」)を設立し、
米国本社が開発する無形資産について、コストシェアリング契約により、費用負担割合に応じた利益をアイルランド法人に移転します。

また、第1法人の管理機能を、タックスヘイブン国である英国領バージン諸島におくことで、アイルランド税法上では、非居住者となり、法人税課税を受けません。
無形資産のライセンス契約においても、使用料課税のないオランダ法人を経由して支払うことで、使用料に対する源泉税が免除されます。
このようにアイルランドに二つの会社をもち、途中にオランダを経由させる戦略は、「ダブルアイリッシュ・ウイズ・ダッチサンドイッチ」と呼ばれています。

DIWDS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 無形資産のコストシェアリング契約

無形資産を海外移転する場合、税務上は、将来の使用収益から生ずる所得に対応する対価で売却したものと扱われる一方で、
コストシェアリング契約のもとに、共同開発する場合には、権利を共同で所有し、将来収益を費用負担割合に応じて配分することが可能です。

Apple社は、米国で研究開発が行われる一方で、その費用を第1法人が負担することによって、無形資産の米国外の権利の所有権は、
第1法人にあるとされるため、当該無形資産の使用から得られる収益は、アイルランドで課税対象になり、米国法人税率の35%ではなく、
アイルランドの12.5%が適用されています。

 

3 ダブル・アイリッシュ

名前の通り、アイルランド法人が二つ必要になります。
アイルランド税法上、法人の「税務上の居住国」は、設立場所ではなく、管理支配機能のある場所となるため、
その機能を、英国領バージン諸島(BVI)に置くことにより、税務上はBVI居住法人と扱われ、アイルランドでも米国でも課税を受けません。

この法人が、本社とのコストシェアリング契約により得た無形資産を所有し、第2アイルランド法人(以下、「第2法人」)に使用許諾することにより、
第2法人は、無形資産の使用から生み出される収益を米国を除く世界中から受け取ることになる一方で、支払使用料の損金算入後の所得のみが、
アイルランドの低税率で課税されます。

第1法人が得た使用料収入は、BVIに蓄積させておき、米国において、配当非課税などのタックス・ホリデーが再度利用可能になる機会を待って、所得移転をします。
また、このスキームにおいて第1法人は、税務上は、アイルランド法人ではないため、第2法人が第1法人へ支払う使用料は源泉所得税が課税されます。
そこで次の戦略と併用することにより、より節税効果を増すことができます。

 

4 ダッチ・サンドイッチ

名前の通り、「オランダ法人を真ん中に挟む」という方法です。
第1法人は、オランダ法人に無形資産の使用許諾を行い、オランダ法人が第2法人にサブライセンスをします。
第2法人はロイヤリティーをオランダ法人へ、そしてオランダ法人はロイヤリティーを第1法人へ支払うことになりますが、
第2法人からオランダ法人へのロイヤリティーは両国間の租税条約により、オランダ法人から第1法人へのロイヤリティは上述したオランダ税制により、
源泉税の対象外となるため、オランダ法人を途中に入れることで節税効果が生まれます。

 

5 check-the-box(事業形態の選択)条項[2]

米国を親会社とする第1法人に蓄積された所得は、米国におけるタックスヘイブン対策税制の対象となり、米国で課税される可能性があります。
そこで、第2法人をcheck-the-box条項を使って第1法人の支店扱いにしておくことにより、第2法人の実態のある取引が、第1法人の取引とみなされますので、
タックスヘイブン対策税制の適用を免れることが可能です。
また、同じくオランダ法人も支店扱いにすることによって、米国の税務当局からは第1法人以外の取引は見えなくなります[3]

 

お見逃しなく!

 

本件M&A実行前及び実行後の形態を比較すると株式交換スキームのようにも見えますが、外国法人による直接の株式交換の可否については会社法上明確になっておらず、
実務上も極めて困難であるため、不確実性を排除する観点から三角合併スキームが選択されているものと推察されます。


[1]  ニュ-ヨ-ク・タイムズ紙の記事をもとにした一部推定が含まれており、実際の事実関係を確認したものではありません。

[2] 米国企業が海外に持つ個々の事業体の税務上の扱いを①パートナーシップ②法人③支店とするかを企業自らが選べる米財務省規則の通称です。日本ではこのような制度が存在しないため、同スキームを日本にて採用する場合にはタックスヘイブン税制の対象となる可能性が高いです。

[3]  第1、第2アイルランド法人、オランダ法人の米国税務上およびアイルランド税務上の取り扱いを整理すると以下のようになります。

アイルランド 米国
アイルランド第1法人 BVI法人 アイルランド法人
オランダ法人 オランダ法人 アイルランド第1法人オランダ支店
アイルランド第2法人 アイルランド法人 アイルランド第1法人アイルランド支店

 

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拝啓 社長殿:2014年1月号:経営者の交代準備

1  経営者の高齢化
中小企業白書2013年版によれば、企業経営者の平均引退年齢は、製造業で従業員20人以下などの小規模事業者で概ね70歳、

製造業で従業員300人以下などの中規模企業では67歳です。

同白書のアンケート結果によれば、経営者の年齢が70歳以上になると、小規模事業者では約7割、

中規模企業で約5割の経営者が減益傾向(経常利益)にあると自ら認識されているようです。

 

2  経営者の交代準備の現状は・・・
同白書によれば、後継者が決まっていない企業の交代準備の対応状況は、次のとおりです。

 

準備を十分している

準備をある程度している

準備の程度が低レベル状況

後継者候補がいる企業

2.6%

30.1%

67.3%

後継者候補がいない企業

1.7%

13.8%

84.5%

後継者候補がいない企業の約8割強が準備不足の状況です。

ちなみに、準備の内容で最も多いのは「後継者の資質・能力の向上」であり、次は「後継者を支える人材を育成すること」でした。

3  後継者はやっぱり親族、でも最近は・・・
20年以上前の中規模企業の社長交代においては、その後継者の約9割が親族でしたが、ここ9年以内の社長交代の場合、親族割合は5割くらいに落ちています(同白書)。

中小企業基盤整備機構によれば、「少子高齢化社会の到来で、中小企業の事業承継問題が改めて重要な課題となっています。

従来、中小企業の事業承継は大半が経営者の子息等の親族内承継でしたが、近年、子供等の親族が承継をしない企業が顕著になりつつあり、

親族外承継の割合が増えてきています。」(2008年3月 事業承継に係る親族外承継に関する研究~親族外承継と事業承継に係るM&Aの実態)

と報告されており、近年、親族外承継が増加傾向にあるといえます。

4  交代の時期は必ず来る!その時期は・・・


交代の時期に関して現役経営者は、40歳代で交代した場合は約73%、50歳代で交代した場合は約57%が「ちょうど良き時期であった」と答えており(同白書)、

交代後の経営者世代では、40代~50代が交代の時機と考えられていることが分かります。

経営者がふさわしいと思う時期に実際の引き継ぎが出来るように、事業承継計画を作成し、実行していくことが必要です。

 

お見逃しなく!

 経営権(=議決権=株式)をどうするか。後継者が親族であれば相続税の問題となりますが、

親族以外が後継者となる場合、株式を移転させる際、譲渡側には税金の問題が、譲り受ける側には資金調達の問題があります。
 事業が人生そのものであると言われる経営者の引退のタイミングをどのようにすべきか、

経営交代後にどのような役割を担うか、重要な問題です。

 

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国際税務ニュースレター:東京エレクトロンのクロスボーダー

今回のテーマ:東京エレクトロンのクロスボーダー

三角合併にみる国際税務

2013年9月24日、半導体製造装置世界首位の米Applied Materials(以下「アプライド」)と

同3位の東京エレクトロン(以下「東エレク」)は、経営統合を行うことを発表しました。

半導体業界やM&A業界に限らず大きく報道されていますが、税務上の観点からも様々な論点が存在します。

 

1       本経営統合スキームの概要

本件における経営統合スキームには三角合併が予定されています。

まず、東エレクがオランダ法人(以下「新会社」)及び新会社の日本子会社を、アプライドが米国子会社をそれぞれ設立します。

その後、東エレクと日本子会社、アプライドと米国子会社がそれぞれ日本子会社及び米国子会社を存続会社とし、

新会社株式を合併対価とする三角合併をすることで、経営統合が成立します。

 

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2       オランダに新会社を置く理由

東エレクのプレスリリースによれば、本件は「対等の立場での本経営統合という観点から、

日米以外の第三国から選択することとし、制度面でのインフラが整備されているオランダに決定」したとされています。

確かに対等な経営統合であるという演出効果はあるものの、オランダの税制は他国に比して優位性が高く、

多くの外国法人が欧州の拠点としてオランダに中間持株会社を置いています。

これが本件におけるオランダに新会社を置く真の理由であると多くの専門家が指摘しており、

その税制上の主な優位点は以下のとおりです。

・25%という、日米と比較して低い法人税率

・イノベーションボックス税制及び研究開発のための人件費について最大1,400万ユーロの税額控除

・資本参加免税制度(配当及びキャピタルゲインが免税となる)

・90ヶ国以上の広範な租税条約ネットワーク及び軽減税率(各社の株主は各国に所在している)

・外国人駐在員に対する個人所得税優遇制度(いわゆる「30%ルーリング」)

2013年9月27日の日経新聞記事によれば、直近5年間の平均税負担率について東エレクは37%、アプライドは27%であり、

また、新会社の税負担率は2017年には17%を見込む(アプライド経営陣)とされており、

このことからも、税制が重要な経営判断要素として働いていることがうかがえます。

 

お見逃しなく!

 

本件M&A実行前及び実行後の形態を比較すると株式交換スキームのようにも見えますが、

外国法人による直接の株式交換の可否については会社法上明確になっておらず、実務上も極めて困難であるため、

不確実性を排除する観点から三角合併スキームが選択されているものと推察されます。

 

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拝啓 社長殿:平成23年12月号 民事法定利率の見直しについて ~民法(債権関係)の改正に関する中間試案より~

現在、法務省は契約に関する規定を中心に民法の改正を検討中ですが、そのひとつに法定利率の見直しがあります。

現行民法は、特約がない限り利率を年5分(5%)と定めていますが、通常の金銭消費貸借契約では利率について

特約があることが多く、法定利率が適用されることは少ないと思われます。

ただし、債務不履行などによる損害賠償債務について事前に遅延利息を取り決めることはまれであり、

そのような場合に重要な役割を果たします。

しかし、5%という利率は近年の市場金利から乖離しており、様々な弊害が生じるとの指摘があります。以下、例を挙げて検討します。

 

1       現行の法定利率の問題点

AがBに損害賠償請求訴訟を提起し、1審でAの請求が認められBに損害賠償の支払が命じられた。1審判決まで1年が経過している。

損害賠償債務は請求された時点から履行遅滞に陥るため、Aは賠償額に加えて判決までの約一年分の利息を受け取ることができます。

そうすると、仮にBに資力があり訴訟の形勢がA有利ならば、Aとしては二審に持ち込んで訴訟を引き伸ばした方が、

より多くの金利を獲得し得ることになります。

逆にBとしては利息分の増加を避けるために、2審で争う意思があっても、

1審判決後に利息及び賠償金を仮払いして履行遅滞に陥ることを避ける必要があります(2審で勝訴すれば、支払った金額は戻ってくる)。

法定利息の趣旨は、被告が賠償金等の未払いにより得ている利得を清算させることにありますが、

現実の運用で獲得困難なほどの利率が適用され、訴訟引き延ばしのインセンティブになりかねない状況は不合理と言わざるを得ません。

そこで、近年の金利情勢に合せるべく、法定利率に変動制の導入が検討されています。

 

2       法務省の改正試案の内容

現在の中間試案(以下「試案」)の内容は以下の通りです。

① まず、法定利率を3%とする(3は仮の数字で、今後の検討にゆだねられる)。

② 連動させる指標として基準貸付利率(かつての公定歩合)を用い、当該利率の変動幅が0.5%以上の場合に①の法定利率を改定する。

③ 見直しは0.5%刻みで年に1回行う。

この方法は非常に緩やかな変動制で、過去十数年を例にとると、法定利率が実際に変動することはないと言われています。

そのため、固定制を維持し、必要に応じて利率を見直せばよいという意見もあります。

しかし、必要が生じる度に法改正を行うのは手続的に煩雑であること、また、変動ルールを法で定めれば利率変更の

予測可能性が高まり取引の安全も確保できることから、変動制が試案として提案されています。

試案の提示する3%の妥当性や変更ルールを民法で定めるか政令で定めるかなど検討すべき点はありますが、

変動制の導入というこれまでのルールからの大きな方向転換が予想されるため、今後の改正の動向に注意が必要です。

 

お見逃しなく!

 

なお、商法においても年6分(6%)の法定利率が定められています(商事法定利率)。

試案では、「民法の法定利率につき変動制を導入する場合における商事法定利率(商法514条)の在り方について、

その廃止も含めた見直しの検討をする必要がある。」と指摘しており、こちらについても今後の動向に注意する必要があります。

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